【2026年最新】特定技能制度の重要トピック4選/外国人雇用は「採用」から「定着」の時代へ

人手不足が深刻化する中、外国人雇用制度「特定技能」は、いま大きな転換期を迎えています。
近年は、建設、外食、介護、製造業、宿泊業、ビルクリーニング、運送・物流など、幅広い業界で外国人材への依存度が急速に高まっています。
一方で、離職率の上昇、採用コストの増加、受入人数の上限管理、賃上げ圧力など、企業側に求められる対応も大きく変化してきました。
特に2026年は「とにかく採用できれば良い」という時代から「定着・育成できる企業が選ばれる時代」への制度の方向性が大きく変わり始めた年と言えます。
今回は、特定技能制度を活用する企業が押さえておきたい、2026年最新トピックを4つ解説します。
①特定技能が「19分野体制」に拡大
2026年4月、特定技能制度に新たに①リネンサプライ、②物流倉庫、③資源循環(廃棄物処理・リサイクル)の3分野が追加されました。
これにより、特定技能は従来の16分野から「19分野体制」へ拡大しています。
そして、押さえておきたいのは「なぜ重要なのか?」ですが、追加された3分野はいずれも、「人手不足が極めて深刻」「日本人採用が困難」「低賃金化しやすい」という共通点があります。
特にビルクリーニング業界との親和性は高く、「清掃+リネンサプライ」「ビルメン+資源循環」「倉庫施設清掃」など、周辺業務との連携も今後進む可能性があります。
つまり、「特定の分野だけの話」ではなく、「周辺業界を含めた外国人材獲得競争」が始まっているのです。
②外職業で「受入停止」が発生/ついに「上限管理」が実現化
2026年春、特定技能制度で大きな衝撃が走りました。
外食分野で、特定技能1号の受入人数が上限に達する見込みとなり、新規受入が原則停止されたのです。
外食分野の特定技能人材の受け入れがなぜここまで急増したのかというと、背景には、「インバウンド回復」「深刻な人手不足」「外食チェーンの大量採用」「日本人採用難」があります。
外食分野では、2026年時点で受入上限5万人への到達が目前となり、政府は新規受入れ制限へ動きました。
そしてこのニュースの本当の意味は「外食だけの問題ではない」という点です。つまり、政府は「分野ごとに人数を厳格管理する」フェーズに入ったという事です。
業界内では、「次はどの分野が止まるのか」「人気分野は早い者勝ちになる」「採用前提の経営が崩れる」という危機感が強まっています。
また、現時点のデータを見る限り、次に「受入停止リスク」が高いと考えられているのは、以下の3つの分野です。
最も危険度が高いと言われているのが①「自動車整備分野」です。次に危険視されているのは②「建設分野」です。そして実はかなり危険になってきているのが「飲料料品製造業」です。
重要なのは「現在の充足率」+「増加スピード」+「人手不足の深刻度」をセットで見ることです。実際に外食業も、単純に上限比率だけでなく「急激な増加ペース」が要因で一気にとまったのです。
いずれにせよ、どの分野も、「人手不足」「高離職率」「外国人依存度上昇」という共通点を抱えており、決して他人事ではありません。
③ビルクリーニング分野で「上乗せ基準強化」が本格化
現在、ビルクリーニング分野では、受入企業への規制強化が進んでいます。
しかも今回は単なる「運用変更」ではありません。
2026年4月、ビルクリーニング分野の「上乗せ基準告示」が正式改正されました。
上乗せ基準は、いつ、どこから発表されたのかというと、最初の動きは2026年2月5日。厚生労働省がe-Gov上で、「ビルクリーニング分野について特定の産業上の分野に特有の事情に鑑みて定める基準」の改正案について、パブリックコメント(意見公募)を開始しました。その後、2026年4月7日に改正告示を公布、同月8日に出入国在留管理庁が関係法令を更新しました。
では、「上乗せ基準」とは何でしょうか?特定技能制度には、「全業種共通ルール」と「分野ごとの独自ルール」があります。
ビルクリーニング分野は、もともと規制が厳しい分野でしたが、今回さらに独自基準が強化された形となります。背景には、「外国人の早期離職」「教育不足」「日本語支援不足」「低賃金問題」「実態としての単純労働化」などへの政府側の強い危機感があります。
「受入れればOK」の時代は終わり。
これまでは「とりあえず採用」「現場投入」「最低限の支援」でも成立していたケースがありました。しかし、現在は、「協議会加入」「支援計画の実施」「定期報告」「定着支援」「教育実施」などの“実態”が見られる方向に変わっています。
特に今後は「外国人を雇える会社」ではなく、「外国人が辞めずに育つ会社」が評価される時代です。
賃金水準への視線も厳格化
ビルクリーニング業界は、もともと最低賃金付近になりやすい業界です。
しかし、制度趣旨上、「日本人と同等以上の待遇」「昇給機会」「キャリア形成」「教育体制」が求められます。そのため、「最低賃金ギリギリ」「昇給なし」「将来像なし」「教育なし」では、今後ますます雇用の維持が厳しくなる可能性があります。
④「育成就労制度」への移行準備が本格化
技能実習制度に代わる新制度として、2027年開始予定の「育成就労制度」の具体化が進んでいます。
これは単なる制度変更ではありません。外国人雇用の考え方そのものが変わろうとしているのです。
“安価な労働力”モデルからの脱却
従来の技能実習制度は、「建前は人材育成」「実態は労働力確保」という矛盾が問題視されてきました。新制度では「育成→特定技能→長期定着」を前提とした制度設計へ移行して行きます。つまり、企業には、「教育」「定着」「キャリア形成」「日本語支援」がより強く求められるようになります。
これからの特定技能制度人材の雇用で重要になること
重要なのは「辞めない職場」「育つ環境」「賃上げ原資の確保」「現場責任者育成」「多能工化」「日本語教育」です。特定技能2号を見据えるならば、外国人スタッフを単なる「作業員」ではなく、「将来の現場リーダー候補」として育成」できるかが重要になります。
まとめ/「採用」から「定着」へ
2026年の特定技能制度は「分野拡大」「外職業の受入停止」「ビルクリーニング上乗せ基準強化」「育成就労制度への移行」という大きな転換点を迎えています。特に今回の外職業の受入停止は、「外国人材は必要な時にいつでも採れる」という時代の終わりを象徴する出来事でした。そしてビルクリーニング分野では「人数を確保すること」以上に、「辞めずに育つ仕組み」を作れるかが問われ始めています。
制度改正を“負担”として見るか、“差別化のチャンス”として見るかで、今後の最強競争力は大きく変わっていくでしょう。
公の機関でも、JITCO(公益財団法人 国際人材協力機構)は、日本で働く外国人労働者が通院する際の3割負担をゼロにする保険を運用していたり、日本語教育の教育家の育成をしています。また、JP-MIRAI(責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム)は、23ヶ国語での相談受付を行なっています。
このような機関をいかにうまく活用しながら自社の外国人従業員を育てていけるかが会社の将来を占うこととなるでしょう。

