【2026年4月最新】通勤手当の非課税限度額改正/駐車場代・長距離通勤・企業実務への影響

はじめに
2025年・2026年と2年連続で、通勤手当の非課税限度額が見直されました。特に2026年改正では、長距離通勤者への配慮や駐車場代の取り扱いが変更され、企業の給与計算実務に直接的な影響があります。
本記事では、2026年時点の最新制度を踏まえ、改正内容・企業への影響・実務対応までを整理して解説します。
2026年改正のポイント(結論)
まず押さえるべきポイントは以下の通りです。
・長距離通勤の非課税限度額が拡大
・距離区分が細分化
・駐車場代が一定条件で非課税に追加
・2026年4月1日いこう支給分から適用
・公共交通機関(上限15万円)は変更なし
特に「長距離通勤」と「「駐車場代」が今回の実務の焦点です。
【2025年との違い】2年連続改正の整理
2025年の改正内容は「中距離の非課税枠引上げ・遡及適用」で、実務的なインパクトとしては年末調整対応でした。
今回の2026年4月改正内容は「長距離の非課税枠拡大・駐車場代追加」で、実務への影響は給与設計と給与ソフトの設定等日常運用となります。
つまり、2025年は「過去処理」、2026年はまさに「これからの運用」に影響します。
通勤手当の非課税限度額(2026年版)
2026年改正では、特に長距離通勤者の上限が見直されました。
・65km以上の区分が新設
・最大で月額66,400円まで非課税
従来は55km以上で一律上限だったため、遠距離通勤者ほど恩恵が大きくなっています。
駐車場代はどこまで非課税?
今回の改正で新たに注目されているのが「駐車場代」です。
◾️非課税枠となる条件
・通勤のために必要な駐車場であること
・継続的に利用していること
◾️非課税限度額
・月額5,000円まで加算可能
実務上の注意点
・自宅駐車場は対象外になるケースあり
・一時利用や私用混在は否認リスク有り
・証憑管理(領収書等)が重要
とりあえず「非課税」という判断は危険です。分からないときはしっかりと確認しましょう。
また、非課税枠が増えても、通勤費は社会保険料の算定では対象となることに留意しましょう。
企業実務への影響
今回の改正で、企業側に発生する主な対応は以下の通りです。
◾️給与計算
・非課税枠の再設定
・距離区分の見直し
◾️システム対応
・設定変更(距離・上限)
・駐車場代項目の追加
◾️社員対応
・通勤距離の再確認
・駐車場利用の申請フロー整備
見落としやすいのは「駐車場代の管理」です。ここを曖昧にすると、課税ミスが起きやすくなります。
会社は通勤手当を増額すべきか?
重要なポイントとして、「非課税限度額=支給義務」ではありません。
◾️判断の軸
企業ごとに以下で判断します。
・実費補填を重視するか?
・人材確保を優先するか?
・コストコントロールを重視するか?
◾️よくある対応
・据え置き(中小企業に多い)
・一部見直し(長距離のみ)
・全体見直し(採用競争意識)
正解は一つではありません。あくまで、「経営判断」の領域です。
実務対応チェックリスト
①従業員ごとの通勤距離の再確認
②非課税限度額の再判定
③駐車場利用者の把握
④給与システム設定変更
⑤社員への周知
この5つをしっかりと行えば、実務上は最低限のことは行ったと言えるでしょう。通勤費の支給額の見直しや、就業規則、マイカー通勤規定などの見直しも行えば完璧です。
よくある質問(FAQ)
Q:非課税限度額を超えた場合は?
→超過分は給与として課税されます。
Q:駐車場代は全額非課税ですか?
→いいえ。上限(5,000円)及び条件があります。
Q:2025年改正との1番の違いは?
→駐車場の追加と長距離区分の細分化です。
Q:自転車通勤の場合も非課税限度額の対象になりますか?
→はい、対象になります。自転車通勤も「交通用具使用者」として扱われるため、距離に応じた非課税限度額が適用されます。ただし、会社の支給ルールによっては支給対象外となる場合もあるため、社内規程の確認が必要です。
Q:通勤距離はどのように判定すればよいですか?
→一般的には「自宅から勤務先までの合理的な通勤経路に基づく片道距離」で判定します。最短距離ではなく、実際に通勤に資料する経路(道路状況や安全性を考慮)を基準とするのが実務上のポイントです。企業側では、申告内容の妥当性を確認できる仕組み(地図アプリ等)を整備しておくと安心です。
まとめ
2026年の通勤手当改正は、単なる金額変更ではなく、「実態に合わせた制度設計への転換」と言えます。
企業としては、
①課税ミスの防止
②社員への説明
③制度設計の見直し
この3点を押さえることが重要です。3の制度設計の見直しは力量を問われるところでしょう。特に駐車場代については、要件の判断や証憑管理を誤ると課税ミスにつながるため、運用ルールの明確化が不可欠です。
今回の改正は、2025年の見直しと合わせて考えることで初めて全体像が見えてきます。2025年が「過去の精算対応」であったのに対し、2026年は「今後の運用設計」が問われる改正です。
だからこそ、単発の対応で終わらせるのでなく、「自社の通勤手当制度そのものを見直す機会」として捉えることが重要です。
私たちグロースサポート社会保険労務士事務所は、給与計算だけでなく、賃金設計などの制度設計も行なっております。ご不明点があればお気軽にご相談下さい。

